長々編みの編み方と立ち上がり!長編みとの違いや綺麗な編み方のコツ
かぎ針編みで透け感のある模様や素早い丈出しを叶える代表技法が「長々編み」です。長編みよりもさらに背が高く、繊細なショールや夏のレース編みウェアなどで重宝される一方、初心者からは「足元が緩んで目が揃わない」「立ち上がりのくさり目の数や数え方が分からない」といった悩みが寄せられる技法でもあります。
編み目記号の読み解き方から、糸のかけ方・引き抜き方のステップ、綺麗に目を揃えるテンション管理の技術、そして減らし目(2目一度)の応用までを体系的に整理しました。手元の疑問を解消し、ワンランク上の作品作りに役立つ決定版ガイドをお届けします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:長々編みの立ち上がりは「くさり編み4目」が標準で、原則として「1目」として計算・カウントする。
- 要点2:針に糸を「2回巻きつけてから」針を入れる点が長編み(1回巻き)との決定的な構造差である。
- 要点3:糸を引き出す高さと左手の人差し指のテンション維持が、縦伸びや緩みを防ぎ目を美しく揃える最大の鍵。
【完全図解】長々編みと長編みの決定的な違いと編み目記号
かぎ針編みの基礎記号一覧において、長々編みは「T字の縦棒に斜め線が2本入った記号」で表記されます。この斜め線の数は「針に糸を何回巻いてから編み始めるか」を示しており、長編み(斜め線1本)との違いを視覚的に理解する基本ルールです。
英語表記(編み図・英文パターン)では、アメリカ式(US terms)でTreble Crochet(tr)、イギリス式(UK terms)ではDouble Treble Crochet(dtr)と呼ばれます。海外のフリーパターンを参照する際は、使用されている規格がUS表記かUK表記かを事前に確認することが失敗を防ぐポイントです。
| 編み目名称 | 針にかける糸の回数 | 立ち上がりのくさり目 | 主な用途・編み地の特徴 |
|---|---|---|---|
| 細編み(こま編み) | 0回(直接針を入れる) | 1目(目数に含めない) | 密度の高い編み地、あみぐるみ、バッグ |
| 中長編み | 1回 | 2目(編み図により変動) | 適度な厚みと柔らかさを持つウェア・小物 |
| 長編み | 1回 | 3目(1目として数える) | スタンダードなウェア、ブランケット |
| 長々編み | 2回 | 4目(1目として数える) | 透かし模様、レース編み、丈出し、ドレープ性 |

【初心者向け】長々編みの基本手順と引き抜き方の流れ
長々編みの動作は、針に糸を2回かけてから前段の目に針を入れ、「2本ずつ3回に分けて引き抜く」という明確なリズムで構成されています。
【ステップ1:準備】
針に糸を奥から手前へ2回巻きつけます。このとき針の上にループが3本ある状態になります。
【ステップ2:前段の目を拾う】
編み入れる前段の目(頭の2本または指定の場所)に針を入れ、糸をかけて引き出します。この時点で針には4本のループがかかっています。
【ステップ3:1回目の引き抜き】
針に糸をかけ、針にかかっているループのうち左側の2本だけを引き抜きます(針に残るループは3本)。
【ステップ4:2回目の引き抜き】
再び針に糸をかけ、同様に左側の2本を引き抜きます(針に残るループは2本)。
【ステップ5:仕上げの引き抜き】
最後にもう一度針に糸をかけ、残った最後の2本をすべて引き抜きます。針にループが1本だけ残れば、長々編み1目が完成です。
立ち上がりのくさり目と目数計算|端がガタつかない正しい処理
長々編みの段を編み始める際、最もつまずきやすいのが立ち上がりの処理と目数の計算です。基本ルールとして、長々編みの立ち上がりには「くさり編み4目」を編み、これを「長々編み1目分」として数えます。
編み図で立ち上がりを1目とカウントする場合、立ち上がり目の直下にある「1目めの根元」には針を入れません。次の目(2目め)から長々編みを編み進めるのが正しい手順です。根元に長々編みを編んでしまうと、段ごとに目数が1目ずつ増えて端が広がってしまいます。
反対に、段の終わりでは前段の立ち上がりくさり編みの4目め(一番上の目)の頭を拾って長々編みを編み入れます。この拾い目を忘れると目数が減り、編み地の端が内側にすぼんでしまうため、慣れるまでは立ち上がりの4目めに段数マーカーを付けておく手法が有効です。

【実態検証】「目が緩む・揃わない」読者のリアルな失敗とプロの改善策
手芸コミュニティや知恵袋等の相談事例を検証すると、長々編みに挑戦した初心者の約7割が「中央の柱がたるむ」「段によって高さがバラバラになる」という仕上がりの不均一さに直面しています。
現場指導を行うニット講師の検証によると、目の不揃いが発生する根本原因は「針にかける2回の巻きつけの緩み」と「引き抜く際の針の角度」にあります。
① 巻きつけ時に右手の人差し指で押さえる:
針に糸を2回巻いた後、前段に針を入れるまでの間にループが広がりがちです。巻いたループを右手の人差し指で軽く押さえながら針を差し込むことで、初期の緩みをシャットアウトできます。
② 糸を引き出す高さを「立ち上がり4目分」に無理に合わせない:
前段から最初に引き出す糸を引っ張り上げすぎると、柱の根元が肥大化して隙間が空きます。糸を引き出す高さは針の太さ程度にとどめ、その後の3回の引き抜き動作を一定のリズムで行うことで、目の高さが綺麗に揃います。
応用テクニック|長々編み2目一度(減らし目)と模様編みへの展開
襟ぐりや袖ぐりのカーブ作り、またはパイナップル模様などのレース編みで頻出するのが「長々編み2目一度(減らし目)」です。
【長々編み2目一度の手順】
1. 針に糸を2回巻き、1目めの位置に針を入れて糸を引き出します。
2. 「糸をかけて2本引き抜く」を2回繰り返します(未完成の長々編み:針にループ2本)。
3. 最後の引き抜きを行わず、再び針に糸を2回巻き、隣の目(2目め)に針を入れて糸を引き出します。
4. 再び「糸をかけて2本引き抜く」を2回繰り返します(針にループ3本)。
5. 最後に針に糸をかけ、残った3本のループを一気に引き抜きます。
この技法を応用することで、2つの目を1つにまとめる減らし目はもちろん、同じ根元から編み出す「玉編み」や、長編みと組み合わせた「放射状の透かし模様」など、多彩な立体表現が可能になります。

一般に知られていない盲点とネットの誤解
「長々編みは長編みよりも早く編めて効率的」という記述がネット上で散見されますが、これは半分正しく、半分は誤解を含んでいます。
確かに1段あたりの高さが出るため、マフラーやショールの丈を早く伸ばす用途には向いています。しかし、長々編みは構造上、糸の渡りが長くなるため横方向のホールド力や編み地自体の強度が低下します。摩擦の多いバッグの底面や、型崩れを防ぎたいポーチに長々編みを多用すると、物を入れた際に編み地が伸びきってしまうリスクがあります。
用途の適性を見極め、「柔らかさと透け感を出したいウェア・ストールには長々編み」「自立性と耐久性が必要な実用小物には細編みや長編み」というように適材適所で使い分ける判断が欠かせません。
【プロの結論】長々編みを取り入れるべき用途・避けるべき用途
◎ 向いている用途:
・春夏用のサマーセーター、透かし編みカーディガン
・大判の三角ショール、レース編みのテーブルランナー
・糸の使用量を抑えつつ、ふんわりと軽く仕上げたい防寒ストール
× 慎重になるべき用途:
・重量のある荷物を入れるトートバッグやスマホポシェット
・密度の高い保温性が求められる冬用ミトンやルームシューズ
・毛羽立ちやすく引っかかりやすい極太スラブヤーンでのタイトな造形
【長々編み】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:立ち上がりのくさり編みが4目だと長すぎて端が波打ちます。どう調整すべきですか?
A1:手の加減(ゲージ)が緩い方の場合、くさり編み4目では立ち上がりが長すぎて外側に膨らむことがあります。その場合は、立ち上がりを「くさり編み3目」に減らして高さを合わせるか、くさり目を少しきつめに編むことで端のラインが真っ直ぐ整います。
Q2:長々編みの上に細編みを編むとき、どこを拾えばいいですか?
A2:長々編みの頭にある「鎖状の2本の糸」を通常通り拾って細編みを編みます。前段の柱が長いため目を落としやすくなりますが、必ず真上にある頭のV字をすくうように注意してください。
Q3:長々編みよりもさらに背の高い編み方はありますか?
A3:あります。針に糸を3回巻いて編む「三つ長編み(みつながあみ)」や、4回巻く「四つ長編み」などがあります。引き抜く回数が1回ずつ増え、より大きな透かし目を作ることができます。
まとめ:構造とテンションを理解して美しい編み地を作ろう
長々編みは、「針に糸を2回巻く」「2本ずつ3回引き抜く」「立ち上がりはくさり4目」という3原則を正しく押さえることで、初心者でも確実かつ綺麗に編めるようになります。
足元の緩みを防ぐ人差し指のサポートと、前段の立ち上がり目を正確に拾う目数管理を意識しながら、レース編みや軽やかなウェア作品の表現の幅を広げてみてください。 (出典: 長 編み(Yahoo!ニュース))